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宝塚ファン歴約30年、フジテレビアナウンサーの笠井信輔さんは、夫婦そろって宝塚ファン。そんな笠井さんが、宝塚歌劇100周年に寄せる思い、さらに8月1日(金)から東京宝塚劇場で開幕する、雪組公演の見どころなど、語り尽くしてくれました。
「宝塚100周年は、本当にうれしい!」
—宝塚歌劇100周年への思いを聞かせてください
「宝塚歌劇100周年は、自分自身30年近く宝塚を見続けてきて本当にうれしい! 4月の100周年の記念イベントを見に行って、改めてその歴史とともに宝塚の楽しさ、おもしろさ、日本文化における重要性をひしひしと感じました。100周年もうれしいし、それで宝塚が注目されることもうれしいし、それが自分の仕事に反映されたこともうれしい(笑)。これを機に、さらに多くの人が宝塚歌劇を見てくれたらと思いますね」
![雪組公演写真]()
前田慶次役の壮一帆(そう かずほ/右)とまつ役の愛加あゆ(まなか あゆ/左)
©宝塚歌劇団
宝塚歌劇「前田慶次」オススメポイントは…
—前田慶次はどんな人ですか?
「前田慶次は戦国武将の一人で、能登半島の加賀を治めていた前田利家の甥っ子。身長は2m近く、傾奇者(かぶきもの)と言われていて、派手な衣装で、やることなすこと型破り。人を驚かすことに自分の生きる価値を見いだしている豪快な男。でも、茶の湯や和歌にも通じている教養人でもある。長い槍を振り回して、戦でも大活躍をするんだ。でも、あまりに豪快で、カッコいいから、今までは映画やドラマの枠に収まりきらなかったんだと僕は思っています。そんな慶次を小説にして大ヒットしたのが、今回の宝塚歌劇の原作、隆慶一郎さんの「一夢庵風流記」。この小説で描かれた大変魅力的な前田慶次像が、漫画やパチンコ・パチスロの“花の慶次”の世界観へつながるんです」
—そこで前田慶次を宝塚で舞台化、となるわけですね
「実は、漫画やアニメなどの舞台化は、宝塚って本当にうまいんです。代表作は“ベルサイユのばら”。原作のファンにも宝塚版は支持されているんです。宝塚ファンの僕に言わせれば、前田慶次、これを宝塚が舞台化しないわけがない。だって、出てくるだけで超カッコいいんだから! でも、最近は和物の作品が少なくなってきています。和物を演じるには、キャリアと経験が必要なんです。昔は“日本物の雪組”って言われていました」
—では“日本物の雪組”復活ですね
「なんと言っても雪組には、最近のトップスターの中ではピカイチの実力派、壮一帆がいます。背が高く、豪快な演技もうまくてコメディーセンスもある。宝塚トップスターの中で最も遅咲きのタカラジェンヌだけど、こんなに芝居のキャリアを積んでいる人はいないんだよ。キャリアが長いっていうことは、それだけで宝。今回はまさにベストキャスティングなので、僕自身すごく楽しみにしています」
「夫と2人で見てほしい!」
—この作品は男性の宝塚入門にオススメなんですね
「隆慶一郎さんが描く慶次像がベースだから、おじさんが見ても非常に楽しめる作品になると思います。これまで、宝塚を見たことのない中高年の人たち、歴史好きのおじさんたちも楽しめるはずです。もし、これが“ベルばら”だったら、気恥ずかしくて嫌なわけ(笑)。でも、前田慶次なら、おじさんたちのほうが情報を持っている。これが夫を誘ういいきっかけになるんです。“前田慶次か。おう、行ってみようか!”って。この作品はぜひ旦那さんを巻き込んでほしいと思います」
—宝塚をきっかけに夫婦の会話も弾みますね
「いざ宝塚を見に行くと、旦那さんにわからないことがいっぱいある。あれは誰なの?これは何なの?って。そして終演後も“誰がよかった?”など、会話も弾むと思います」
笠井さんも奥さんと一緒に行くという「前田慶次」。夫を誘って、夫婦で宝塚観劇をする、いいきっかけになりそうな作品ですね。また、トップスター2人の退団公演なので、盛り上がるのは必至! ファンはもちろん、初心者も見逃せませんね。
男もハマる、宝塚のココに注目
Point1 トップスターは一目瞭然
ショーになると誰がトップスターかは一目瞭然。トップは全身キラキラ。最後に大階段を下りてくるときも特別大きな羽根をつける。以下はだんだん小さくなる。社長、部長、課長って名刺をかかげて演じているのと一緒。注目してみて
Point2 銀橋(ぎんきょう)
宝塚の劇場の特長、銀橋。この銀橋を渡る人に注目。実は限られた人しか渡れないんです。1人で渡るのはスターの証。3人くらいで一緒に踊りながら通って行くのを見ると、今のは次のスター候補生だな、とわかるんです
Point3 宝塚は戦国絵巻!?
宝塚には入団年度の序列と、人気と実力によるスター制度の2つがある。サラリーマンとまったく同じで、自分の給料における階級と、役職における階級とがある。人気と実力でプログラムに写真が出る順番、大きさが変わります。まさに戦国絵巻!
Point4 組替え
この組は人気者が集まりすぎている、この組は卒業生が多くてちょっと人気者が足りない、それではこの人をこの組へ異動させよう、というのが組替え。野球のトレードとまったく一緒。組替えで起こる化学反応もおもしろい
◆笠井信輔(かさい・しんすけ)プロフィル
昭和38年4月12日東京都生まれ。昭和62年4月フジテレビ入社。数多くの番組を担当。平成11年4月から「とくダネ!」(毎週月〜金曜、8:00〜9:50放送)キャスターに。「男おばさんL」(CSフジテレビTWO・NEXTで随時放送)では、趣味の映画・舞台の豊富な知識を遺憾なく発揮している。担当してみたい番組は「宝塚専門番組の司会」というほどの宝塚ファン
■□■BUTAKOME☆Information ■□■
宝塚傾奇絵巻
『一夢庵風流記 前田慶次』
~原作 隆慶一郎『一夢庵風流記』(新潮文庫刊)~
脚本・演出/大野 拓史
グランド・レビュー『My Dream TAKARAZUKA』
作・演出/中村 一徳
■東京宝塚劇場 雪組公演
2014年8月1日(金)~8月31日(日)
※公演の詳細情報は宝塚歌劇公式HPへ